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本稿では単層カーボンナノチューブを熱電変換材料の候補と考え,ドーピング(不純物添加)を中心に,そのポテンシャルや実際の制御手法について事例とともに概説する。 スマート社会(Society 5.0)が到来しつつある。ここでは我々の生活圏にさまざまなセンシング技術が導入され,それらがワイヤレス通信技術(IoT)によりつながっている。通信ネットワークで運ばれたフィジカルデータはサイバー空間で人工知能(AI)により処理,高付加価値化される。設置されるセンサ数は膨大であり,配線や電池交換は極力避けたい。IoTの詳細は他の記事や専門書に任せ,本稿ではセンサの電源について考えたい。 熱電変換は古くから知られる熱(温度差)と電気エネルギーの相互変換技術である。熱電発電の発電効率は,カルノー効率と無次元性能指数zT(z=σS2/κ,σ:電気伝導率Sm-1,S:ゼーベック係数VK-1,κ:熱伝導率Wm-1 K-1,T:絶対温度K)の積であり,zTが高いほど発電効率が高くなる。炉や車両など数百℃の比較的大きな温度差が期待できるときには良好なカルノー効率が得られ,再生可能エネルギーの獲得手法と言える。多くの高効率熱電材料・デバイ...
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