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関西の私立大学の理学部化学科で有機化学を専攻し，化学会社に入社した。大阪での研究所，東京本社での事業部勤務を経て，2020年3月まで，CSR推進部長として当社グループ全体のサステナビリティ推進の役割を担った。 入社した頃の筆者は，一つ一つの仕事に丁寧に取り組むが，初めてのことに対する勘所をつかむのが苦手だった。そのため，自分が，次々と新しい課題に挑まなければならないサステナビリティ推進のような仕事を担当することになるとは，想像もしなかった。今も決して自分のことを器用だとは思わないが，最近は，新たな課題に直面した時になぜかできない気がしない。特に根拠はないので，「根拠のない自信」と呼んでいる。 「根拠のない自信」を持てるようになった特別なきっかけがあった訳ではないが，苦手意識があるからこそ，できるだけポジティブなことを考えるようにしてきた。とにかくいろいろな人に相談し，力を借りることを躊躇しなかった。数多くの人と仕事をしたことによって，自分一人では経験できなかったであろう様々な成功を，共に体験させてもらえた。失敗は人を成長させると言うが，何をやっても中途半端で成功体験を味わったことのなかった私にとって，小さ...
Online ISSN : 2435-2292
Print ISSN : 0375-9253
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