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結晶化現象を利用して,目的成分の「分離・精製」と「粒子群製造」を同時におこなえる操作が晶析操作である。結晶成長が起きている限り不安定相の溶液から,安定相の結晶が析出しているので,そこには推進力が働いており,それを過飽和と呼んでいる。結晶化現象を理解し,それを晶析操作に活かすために必要な概念が本特集の主題である“過飽和”である。過飽和の生成と言えば,“平衡論”で決定されるどの程度の値なのかを議論することが必要となるが,非平衡分離操作として分類される晶析操作では,どの程度の速さで過飽和が生成され,あるいは消費されるのかという“速度論”も重要になる。晶析操作の場合,平衡論を議論するには相図で表現される固液平衡(溶解度曲線)が必須となる。そして,その相図上のどこに操作点(溶液状態)が存在し,その操作点をどう動かすのかを議論するのが速度論という理解である。本稿では結晶化の推進力である“過飽和”に焦点を当てながら,結晶粒子群に品質を上手く作り込むための操作戦略について解説したい。 ...
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