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我々が暮らす地球では,様々な結晶が鉱物として産する。なお,鉱物は「地球・月・火星・隕石などを構成する天然の均質な無機物。多くは,固体で一定の原子配列を有し,一定の化学組成をもつ」と記載されている1)。この結晶(あるいは鉱物)が成長するメカニズムを紐解くことで,様々な材料を創製できると直感する。地球が結晶を育成するプロセス(ネイチャーテック)に学び,それを単純化して実験室にもちこんだ技術のひとつがフラックス法である。フラックス法の起源を明確には特定できないが,人類が火を用いるようになり,火の近くの土が固まることに気付いた時には,無意識のうちにフラックス法の類似現象が見られたことだろう。フラックス法で最初に育成された人工結晶は,1823年のNaxWO3(ナトリウムタングステンブロンズ)と理解する2)。また,フラックス法が多用される大きなきっかけは,1837年のルビー(Al2O3:Cr)結晶の育成である3)。これらを契機に,約180種の結晶が19世紀中にフラックス法で育成されている4)。我々はこのフラックス法を基盤技術とし,様々な単結晶(以降,結晶と呼ぶ)の育成・応用に取り組んでいる5)。フラックス法は古くて新しい...
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