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金属担持ゼオライトに代表される複数の活性点を併せ持つ多元機能触媒は,多段反応をおこなうことができ,反応プロセスの簡略化といったメリットが期待されている。ひとつの触媒上で複数の反応を効率よくおこなうにはそれぞれの活性点の位置を適切に配置することが求められる。従来,同一粒子内に各活性点をnmオーダーで配置した場合と別々の粒子に活性点を付与することで各活性点をmmオーダーで配置した場合の比較により「金属活性点と固体酸点が近ければ近いほどよい」と考えられてきた。それに対し,近年の分析機器の性能向上に伴い,どの程度近接して配置させるとよいかといった定量的な評価がおこなわれるようになってきた。本稿では,長鎖直鎖アルカンの水素化異性化反応系に焦点をあて,金属活性点と固体酸点の位置の影響についての研究動向を紹介したい。 長鎖直鎖アルカンの水素化異性化反応は石油化学産業において,ガソリン留分のオクタン価の向上,ディーゼル留分および潤滑油成分の改質,Fischer-Tropsch反応生成物の改質等に利用される。一般的にその反応メカニズムは,金属触媒上での長鎖直鎖アルカンの脱水素反応による長鎖直鎖アルケンの生成,長鎖直鎖アルケン...
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