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アンモニアは,ハーバー・ボッシュ法により,世界で年間1.7億トンほど生産されている。人工的に合成されたアンモニアは,主に肥料として必要不可欠な物質であり,現在の人口を支えている。その一方で,畜産現場などにおいて,糞尿が分解することで発生するアンモニアは,悪臭の原因の一つになっている。近年,アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の観点からも,畜舎内においてアンモニア濃度を抑えることが求められている。このように農学においてアンモニアは,不可欠な物質であると同時に,場所や濃度によっては,除去すべき物質ともなる。 筆者のグループは,青色顔料で知られるプルシアンブルーという多孔性配位高分子の金属種や組成を変えた類似体ナノ粒子が,アンモニアに対し,大きな吸着容量と高い選択性を示すことを見出した1, 2)。この性能を生かして,除去すべきとされるアンモニアの回収と再利用を目指して研究開発を進めている。 本稿では,農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」による支援を受け,関東化学(株),(株)フソウなどともに,悪臭の一つとされるアンモニアを吸着し,臭気低減することを目的に,...
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