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ジャイアントリポソーム(ベシクル)は,細胞と同様に脂質二分子膜を基本骨格とする閉鎖小胞体であり,細胞膜モデルや人工細胞への応用などが研究されている。静置水和法,エレクトロフォーメーション法,マイクロ流路法などにより形成することができる。 細胞においては,内部空間において様々な生化学反応がおこなわれており,ジャイアントリポソームもまた,細胞類似の小胞型反応場として着目されている。ジャイアントリポソームは,高分子などを用いたその他のカプセルと異なり脂質二分子膜からなるため,内部空間のみならず膜自体も生体分子の機能発現の場として利用でき,生化学反応の反応場として高い潜在性を有する。しかしながら,従来は内部空間のみを利用した反応系の構築が中心であった。 一方,膜構造の観点からみると,単一の脂質膜からなる一般的なジャイアントリポソームは,膜モデルとしては有用であるものの,細胞の膜構造を再現しているとは言い難い。実際の細胞は,その内部に,膜からなる細胞小器官を有しており,内部が機能的にも空間的にも区画化されている(図1)。これらの構造の再現を目指し,小胞体を内包したリポソーム(oligovesicular vesic...
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