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2020年9月24~26日に化学工学会第51回秋季大会が開催された。秋季大会として初めてのオンラインでの実施であった。材料・界面部会の主催するシンポジウム「ソフトマター工学研究の現在」においては,目立ったキーワードとして「高分子複合材料の機能化」が挙げられる。複合材料は高分子の力学的・熱的耐性の向上や別種の有機・無機材料を組み合わせることで様々な機能を付与することができるため,様々な分野への応用が期待される技術である。材料・界面部会が主催した5つのシンポジウムでは,口頭・ポスター発表合わせて153件のうち38件が高分子材料に関わる研究であり,ソフトマター工学への関心の高さが垣間見える。本シンポジウムでも高分子複合材料を吸着剤(金属イオン回収やウイルス検出)や表面改質剤,輸送担体として利用するための基礎的・応用的検討が報告されたが,今回は吸着剤に焦点を当てる。 吸着剤として,廃液中の有価金属の分離・回収を目的にイオン性高分子ゲルを用いた検討がおこなわれている。いわゆる都市鉱山と呼ばれるような廃棄物・廃液中の有価金属の除去・回収には凝集沈殿法が広く用いられてきた。これはアルカリ塩の添加によって金属を水酸化物とし...
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