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2021 Vol.85 No.4 特集

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巻頭言 ソノプロセスへの期待

特集 超音波合成に適した周波数と超音波による化学的作用の定量化

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特集

超音波を用いた合成技術の最前線
超音波を活用した合成技術の進展と展望

 超音波は,人間の可聴域以上の,周波数20 kHz以上の音波である。超音波の化学作用を利用する分野はソノケミストリーと呼ばれ,1980年代以降,盛んに研究されるようになってきた1)。また,物質合成,分解,分離,抽出,洗浄などの化学工学プロセスを超音波によって強化する分野がソノプロセスである2)。  液体に超音波を照射すると,超音波キャビテーションと呼ばれる微小な気泡が生成,圧壊する。この気泡圧壊時に,ごく短時間かつ局所的に,高温高圧場ならびに高せん断場が生じる。また,短時間ゆえに,局所的に急速昇温,急速冷却がおこなわれる。  ソノケミストリーおよびソノプロセスでは,これらの局所極限場の物理的,化学的作用を用いて,プロセスを強化したり,超音波照射下でしか進行しない現象を引き起こしたりする。装置全体は常温常圧下でありながら,高温高圧条件下においてしか進行し得ない反応を引き起こすことができる。また,高せん断場を利用することで,物質移動の速度を飛躍的に向上させたり,物理的作用によって材料の形状を制御したりすることができる。ソノプロセスは液相に関係するプロセスであり,単相のみならず,液液,固液,気液のような多相系において...

久保 正樹
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久保 正樹

Progress and Future Prospects in Synthesis Technology Using Ultrasound

Masaki KUBO(正会員)

  • 1998年 東北大学大学院工学研究科化学工学専攻博士課程後期修了

  • 東北大学大学院工学研究科化学工学専攻 准教授

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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