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本稿を執筆するにあたって,私が今の道を歩むことになったきっかけについて思い返してみました。最初は文理選択で迷っていました。理系を選んだ理由は,「理系の方が就職に有利だろう」という,今思えば非常に安易なものでした。当然その頃は,化学工学という学問があることなど知りませんでした。機械,情報,化学といったメジャーな学科の中から,何となく高校科目と関連が強そうで,内容のイメージがしやすかった応用化学系に入学することを決めました。このように,私は大学生になるまで進路選択を何となくで決めていました。しかし,自身の専攻を決める,学部三年次のコース選択に関しては,確固たる意志で化学工学コースを選択しました。そのきっかけは,学部1~2年次の専門科目にあると考えています。東工大の学部1~2年では,有機化学や無機化学,移動現象や反応工学といった化学の基礎について,幅広いことを学びました。この中でも,移動現象や反応工学といった化学工学系の科目は,高校生のころイメージしていた,典型的な有機化学や無機化学とは全く異なるものでした。運動量や熱の移動,PID制御など,一つの化学製品が完成するまでに詰め込まれている技術や,関連する学問の多さ,...
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