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バイオミメティクスのヒントはどこに隠されているのだろうか? 下世話な言葉で言えば,儲かるネタはどこを探せば見つかるのか? バイオミメティクスは生物多様性に学んで,新規な工学的発想を生み出そうという思潮であるから,まずは自然の中の,我々が目にすることのできる様々な生物に目を向けなければならない。 これまでにバイオミメティクスのモデルとなった生物を列記してみよう。本特集(化学工学誌)の企画書から抜き出してみると,アブラムシ(昆虫),フナムシ(甲殻類),マグロ(魚類),ニホンヤモリ(爬虫類),カワセミ(鳥類),ハス(植物),マメ科植物,といったところである(カッコ内は筆者が付記)。マグロはちょっと難しいが,それ以外は比較的容易に,それらの生物の生きた姿を身の回りに見出すことができる。 それ以外でも例えば,光の反射を抑えるモスアイシートやモスアイパネルのモデルとなったモスアイという機能性表面の製品は,ガ(昆虫綱チョウ目)の複眼表面の微細構造をモデルとしている1)。実際のチョウやガの複眼の表面には,直径が0.15~0.20μm程度の円筒形または円錐形の突起が密に配列した(「ナノパイル構造」と呼ぶ)表面構造が観察され...
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