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執筆者の主たる専門分野ではないが,この機会を借りて,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応として2020年におこなわれた世界規模のロックダウンがどのように大気汚染の状況に影響したか,最近のいくつかの研究論文の内容を紹介したい。 COVID-19は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされ,公式には2019年12月に中華人民共和国の武漢市で初めて報告された。2022年3月時点において世界で600万人を超える死者が報告されている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,政府によるいくつかの対策(ソーシャルディスタンシング,在宅要請,国際的な移動の制限,非エッセンシャルビジネスの停止等)が実施されてきている。そして,このような対策の結果,世界中のいくつかの都市域において大気汚染質の濃度の大幅な減少が観察されたことが報告されている1)。また,最近の研究では,この大気汚染質濃度の減少がおそらく超過死亡数や超過罹患数の減少に繋がっていることが示唆されている。 Ordóñezら2)は,European Environment Agencyの地上モニタリングデータベースを利用し,2020...
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