※ 検索ワードを区切るスペースは半角でお願いします。
流体の温度や運動に対する制御性の高さから,近年,ナノスケールオーダーの微細な流路内での流れが工学的に注目されている。微細流路内の流れにおいては,流体体積に対する壁面積の比が大きいため,流路を構成する固体壁と流体との相互作用が特に重要となり,壁面における滑り速度の顕在化といった特徴的な現象が見られるようになる。相互作用の特性を決定づける壁面近傍の流体(以後,流体は液体に限定する)は,図1に示すように層状の密度分布を形成することが知られている。この密度分布の1層の厚みは原子・分子スケールであるので,壁面近傍における液体の挙動は微視的スケールの物理に支配される。それと同時に,この領域の液体挙動は隣接するバルク部の液体挙動を支配する巨視的な流体力学とも無縁ではいられない。このように,微細流路内の流れでは原子・分子の微視的スケールのみで記述できる領域は存在せず,壁面近傍に存在するのは微視的スケールと巨視的スケールの接続領域としてのメソスケール領域である。 ...
お気に入りから削除しますか?