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持続可能性は今日の人類社会が直面している最大のチャレンジである。地球と共生した持続可能な社会を実現するためには地球表面の約7割を占める海洋の利活用が鍵となることは明白である。従来のリニアエコノミーのパラダイムの下での海洋利用は水産資源,エネルギー資源など「モノ」の利用のみに立脚していた。しかしながら持続可能社会の実現に向けては「リニアエコノミー」から「サーキュラーエコノミー」へのパラダイムシフトが求められており,新しいパラダイムの下では「モノ」の利用を超えた,持続可能な「海の恵」に基づいた新しい海洋利用の姿を打ち立てる必要がある。 筆者らが所属する海洋研究開発機構(JAMSTEC)は,有人調査潜水船「しんかい6500」(図1A)に代表される探査機器を運用し,深海に関する研究開発をおこなっている文部科学省所管の国立研究開発法人である。海洋の全球平均深度は3,688メートルであり,そのうち200メートル以深を深海と呼ぶ。深海は地上とは大きく異なる極限世界である。水深10メートルごとに水圧は0.1 MPaずつ上昇し,全球平均深度での水圧は37 MPaに,世界最深部(チャレンジャー海淵,水深約11,000メートル)...
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