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炭素ナノ粒子であるすすは,火炎中のふく射において重要な役割を担う一方で,環境汚染物質でもあるため,その生成挙動に関する研究が古くからおこなわれてきた。また,工業的に製造されるカーボンブラックはすすと同様の炭素ナノ粒子である。炭素ナノ粒子が気相において衝突・凝集することで成長する過程のシミュレーション技術は,moments法,sectionalモデル(bin法とも呼ばれる)および確率的(stochastic)シミュレーションに大別することができる。moments法およびsectionalモデルは無機・金属ナノ粒子の分野で発展してきたものであり,確率的シミュレーションの中には,炭素ナノ粒子独自の手法も存在する。生成メカニズムを検討するような詳細なシミュレーションの場合には,sectionalモデルあるいは確率的シミュレーションが用いられることが多いが,どの手法を用いるかは研究者により千差万別であり,手法の優劣に関する統一的な見解はない。これは,炭素ナノ粒子において,これらの粒子の凝集・成長シミュレーション手法を気相反応モデル,核生成モデルおよび表面成長モデルと組み合わせて使う必要があり,これらのモデルとの相性やこ...
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