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高分子,コロイド,液晶,界面活性剤,生体分子などの柔らかい物質を総称してソフトマターと呼ぶ。これらに共通する特徴は,物質の構成単位が大きいという点である。高分子やコロイド粒子は多数の原子から構成され,液晶や界面活性剤は相転移や自己組織化によって巨大で複雑な構造を形成する。その結果,ソフトマターは外部からの刺激に対して大きくゆっくりと応答し,非線形・非平衡な挙動を示す。こうしたソフトマターの力学的特性を評価するためには内部に働く応力場を解析する必要があるが,力と変形の非線形な関係故に,観測されたひずみから間接的に応力を推定することは困難な場合が多い。従って物体内部の応力情報を直接得るための実験的手法が求められる。そのような手法の代表例として複屈折現象の観察に基づく「光弾性法」が古くから知られており,近年は高速偏光カメラの登場により動的現象への適用が進んでいる。また,高分子化学の分野では力学刺激に応じて吸収色や蛍光色が変化する「メカノフォア」などの機能性分子骨格の開発が盛んであり,これを材料中に導入して色の変化から応力場を可視化する試み(図1)も報告されている。そこで本稿では上記のような光学的手法に基づいてソフト...
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