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プラチナ社会の起源を辿れば40年前に遡る。地球温暖化の解決策を求めて,地球を化学コンビナートと見立て化学工学を適用したのだ。
有限な地球で,ビルも自動車も,物質はいずれ飽和する。物質収支から推測すると,地球社会で鉄が飽和するのは2050年頃だ。人の活動を,輸送,分離,反応,燃焼と分解すれば,そのエネルギー量は,0:1:10:100だ。物質やエネルギーの収支や単位操作を積み上げて,2050年の物質とエネルギーのビジョンを提案した。そのまとめが拙著『地球持続の技術』(1999, 岩波新書)である。
地球が持続しても,人間が不幸になっては意味がないだろう。だから,「地球が持続し,豊かで,全ての人の自己実現を可能にする社会」を実現しなくてはならない。それをプラチナ社会と定義して,現在,実装しようと活動している。そのハブがプラチナ構想ネットワークだ。
例えば,エネルギー源は,化石資源から再生可能エネルギーに変わる。太陽光発電は,屋根への設置や,畑や水田のソーラーシェアリングに加え,ペロブスカイトなどフィルム型の急速な進歩により建物の壁などにも設置可能となる。また,風力発電の技術進歩も著しい。更に蓄電コストも劇的に低下した。経済合理性のある再生可能エネルギーだけで,現在の総発電量の数倍に達するポテンシャルがある。アラビアの王様などに払っている30兆円の輸入代金が,国内の再生エネルギー産業への支払いとなり内需に変わるのだ。
「加工貿易」というのは過去のモデルだ。プラチナ社会では,再生可能エネルギー,都市鉱山,バイオマスが一次資源となる。それは,日本が「資源自給国」となることを意味する。今目指すべきは「自給国家」であり,それは日本を輝かしい未来へと導くのである。
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