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相平衡に関する知見は,化学プロセスにおける反応工程ならびに分離工程での相状態を把握する上で,必要不可欠な情報である。相平衡や相挙動は,成分組成,温度・圧力によって変化するため,実験データの蓄積により,対象となる混合系や条件に関する知見を得るには,多くの時間が必要となる。そのため,理論モデルを用いた相平衡の相関,ならびに推算は,対象となる相平衡や相挙動を把握する上で,有効な手法となる。相平衡の相関や推算に用いられる理論モデルとして,高圧相平衡には状態方程式が,常圧付近の気液,液液,固液平衡には活量係数式が適用される。状態方程式や,活量係数式には,分子間相互作用エネルギー等のパラメータを,データフィッティングにより決定する必要がある。しかしながら,相平衡データが報告されていない物質や,混合系に対しては,状態方程式や,活量係数式といった理論モデルの適用が困難となる。量子化学計算の手法であるConductor-like Screening Model(COSMO)法1)から算出される分子表面電荷,分子表面積・体積といった分子情報を活用した活量係数モデル2, 3)は,データフィッティングを必要としないため,多種の物質・...
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