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エアコンや冷蔵庫などの冷凍空調機器において,内部を循環し,蒸発や凝縮を利用して熱交換器内で熱を移動させる重要な役割を担っているのが冷媒である。この冷媒としては,「フロンガス」と呼ばれていたCFC(chlorofluorocarbon)冷媒(塩素とフッ素と炭素から構成されるハロゲン化炭化水素:図1)やHCFC(hydrochlorofluorocarbon)冷媒(水素と塩素とフッ素と炭素から構成)が主流であったが,図2にまとめたように,1970年代に入ると,成層圏のオゾン層破壊問題を発端として,塩素原子を含むCFC冷媒やHCFC冷媒が地球環境破壊に関する悪者と考えられるようになった。そして,1995年末には「特定フロン」としてCFC冷媒やHCFC冷媒の生産が終了し,環境に優しい「代替フロン」としてHFC(hydrofluorocarbon)冷媒(水素とフッ素と炭素で構成)が登場することになる。しかし,地球温暖化が大きな問題となるにつれて,環境に優しいと期待されていた代替フロンさえも悪者となり,新たな次世代冷媒の開発が求められている。本稿では,最近登場してきた次世代冷媒候補物質で,炭素原子の二重結合を有するHFO...
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