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この度は本コーナーへの寄稿の機会を賜り,僭越ながら筆を執らせていただきました。私は早稲田大学大学院の博士後期課程に在籍しており,これまで過ごしてきた学生生活の中での化学工学との関わりを中心にお話しさせていただきます。 今になって振り返ると,高校時代の部活動での出来事が,化学工学的といえる疑問を抱いた初めての経験だったと思います。当時所属していた化学部で,先輩に信号反応と呼ばれる化学実験を実演してもらったのをきっかけに,一瞬で化学の虜になりました。信号反応とは,インジゴカルミンの酸化還元反応により溶液が信号機のように緑,黄,赤色に変化する反応です。フラスコを揺らしたり振ったりするたびに,中の溶液がカラフルに変化する様子に感動したのを覚えています。当時は空気に由来する溶存酸素が酸化剤,添加したグルコースが還元剤として働き,インジゴカルミンの状態が変化しているということを知り,一連の現象を理解したつもりでいました。一方で,フラスコ内に酸化剤と還元剤が同時に存在しているのに,どうして酸化還元状態が揺れ動くのかと不思議に感じていました。 この疑問は残ったまま,早稲田大学の応用化学科に入学し,化学工学を履修しました。...
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