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「分子から地球まで」の様々な社会課題に対し,化学とシステム的思考に基づいて課題を解決する化学システム工学的な方法論に惹かれて,私は化学システム工学科/専攻(以下「化シス」という。)へ進学した。化シスとの出会いは,大学2年生の時に受講した化シス教員によるオムニバス形式の講義だった。化学システム工学的な方法論を実践した幅広い分野の研究に興味を持ったのと同時に,化シスで学べる方法論は,将来きっと色々な分野で役立つに違いないと胸を膨らませた。 化シスでの初めての研究は大学4年生の時だ。肝臓に多く存在する二核細胞が肝臓の機能へ与える影響について研究した。二核細胞とは細胞内に核が2つ存在する細胞で,イメージとしては核が1つの細胞を一般的な生卵とすると,二核細胞は黄身が2つ入った二黄卵のようなものだ。二核細胞は肝臓や心筋,がん組織に多く存在するが,生体内では稀な細胞でありその生理学的な意義は分かっていなかった。そこで私は,二核細胞内の2核を分離・個別回収する手法を開発することで,同一細胞内の2核の遺伝子発現を個別に解析することに成功した。これは二核細胞の生理学的な意義の解明を通じて,肝臓の機能への影響を明らかにするもので...
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