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近年,地球温暖化に伴うCO2削減政策が議論される中,2020年10月,日本政府として「2050年カーボンニュートラル」宣言を打ち出したのは記憶に新しい。国際海運分野においては,CO2削減戦略制定以前から,船舶のエネルギー効率設計指標(EEDI)を導入,船舶から排出されるCO2削減の取り組みがおこなわれてきたが,2050年以降の目標達成には,船舶業界全体として温室効果ガス(Greenhouse Gas,GHG)削減技術が求められており,CO2をメタン化し再生エネルギーとする技術もその一例である1, 2)。その中でも船舶の船底の状態はCO2排出に大きく関わるものである。海洋中においては,フジツボ,ムラサキイガイなどの動物類やアオノリ,シオミドロなどの藻類のような基盤に付着しないと生息できない海洋生物(付着生物)が存在し,船舶の船体(船底部)は,このような付着生物と密接した環境にある。付着生物が船底部に付着してしまうと,海水面との抵抗を増大させ,船速の低下,船舶の就航において多大な影響を与え(図1),必要な消費燃料の増加に伴いCO2排出が増大する。船底防汚塗料は生物付着を防止する性能に加えて,防汚塗料の表面の摩擦抵...
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