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2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響(以下,コロナ禍またはコロナ危機)を抜きには語れない。前年末に中国・武漢で集団発生した肺炎は,年始に新型のコロナウイルス(COVID-19)であることが発表され,2月以降,短期間に世界中に拡大した。世界各地でのロックダウン(都市封鎖。国によって制限の厳しさは異なり,日本では緊急事態宣言による不要不急の外出自粛要請)による経済へのマイナス影響は,サブプライムローン破綻・リーマンショックに始まった2008年の世界金融危機を超え,これまでにない大きさであった。 1)ニューノーマル~デジタル化の進展 コロナ禍は経済環境だけでなく,私たちの生活,働き方などに大きな影響を与えた。いわゆるニューノーマルと言われる行動様式である。ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略),マスク着用以外にも,人事制度や労務管理の難しさを理由になかなか進まなかったリモートワークが,感染症対策としての通勤抑制で一気に普及した。コロナ禍はワクチン普及や治療法の確立でいずれ終息するだろうが,定着したリモートワークという勤務形態を今後も人事制度に取り入れていく動きもあり,奇しくも働き方改革が進む結果...
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