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合金とは,いくつかの金属元素からなる金属材料である。組成を適切に調整することで,構成金属元素単独より優れた物理的・化学的性質を示す合金を得ることができる。合金の表面は,単一金属の表面には現れない特異な電子密度・結晶構造を有していることから,新規機能材料として期待される。例えば触媒応用には,表面の拡大を目指し,合金のナノ粒子化が不可欠である。合金粒子取得に広く活用される物理的手法では,2,000℃近い高温合成のために,特殊な装置が必要であり,尚且つ,多孔質や層状といったナノ構造合金の取得が困難である。そこで筆者らは,新規に化学的手法を模索し,溶融塩中で強力な還元作用を示すCaH2により低温還元(600℃以下)する方法を見出し,高い比表面積を有するナノ構造合金を合成することに成功した1-14)。後述するように,難還元性金属酸化物(例えばY2O3)を原料としたナノ構造合金の取得に成功した。難還元性金属酸化物は熱的に安定なため,低温合成が難しく,意欲的な試みである。合金の構成金属として選択肢が拡大すること,低温合成により合金表面制御の可能性が広がることは,合金材料の活用において有意義である。本稿では,ナノ構造合金の合...
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