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2022 Vol.86 No.7 特集

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特集

進化する反応場
気相S種を活用する脱水素プロセスの開拓

 石油化学製品として利用価値の低いアルカンを原料に,オレフィンを選択的に製造するアルカンの脱水素反応が注目されている。この反応は,プロパンやブタンなどの小さな低級アルカン類を付加価値の高い物質に変換し,一般的にはクロム成分をアルミナに担持した触媒が有効とされている1-3)。しかし,僅か15〜30分程度の短時間でコーク析出による触媒失活が起こるため,再生処理を繰り返すサイクリックな運転方式が採用されている4)。その際,反応と再生を繰り返すことで不可逆的な触媒劣化が進行することから,連続的なオレフィン製造を可能にする新規な触媒と反応プロセスの開拓が求められている。  このような背景の下,著者らはプロパンからプロピレンの脱水素反応を例に,安定的な反応進行を図る触媒と反応プロセスの検討をおこなってきた。これまでのところ,金属成分と格子硫黄(S2−)からなる硫化物触媒が選択的な脱水素能を示し5),また触媒表層の格子S2−の損失により触媒性能が低下すること,そして気相へH2Sを共存することでこの格子S2−を連続的に復元することが分かってきた。本稿では,これらの成果を基に,触媒格子中のS種と気相ガス中のS種のredox性を活...

渡部 綾
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渡部 綾

Pioneering Dehydrogenation Approach Utilizing Gas-Phase S Species

Ryo WATANABE(正会員)

  • 2011年 早稲田大学大学院博士課程修了

  • 静岡大学学術院工学領域化学バイオ工学系列 准教授

福原 長寿
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福原 長寿

Choji FUKUHARA(正会員)

  • 1987年 東北大学大学院工学研究科博士課程前期化学工学専攻修了

  • 静岡大学学術院工学領域化学バイオ工学系列 教授

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Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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