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生物電気化学技術(BES:Bioelectrochemical Systems)は,生物の代謝反応で生じる電子移動を直接利用することで,電気エネルギー,あるいは有価物を生成することが可能な技術である。種々の生物反応を利用することで排水処理1)や有価物生成2)等,様々な分野への利用が期待されている。今回は生物電気化学技術の中でも,堆積物微生物燃料電池(SMFC:Sediment Microbial Fuel Cells)について紹介したい。SMFCはその名の通り,堆積物あるいは底質を利用した生物電気化学技術であり,湖沼や海洋などの環境中から直接電気エネルギーを取り出すことが可能である。泥から電気を取り出すという内容で,SMFCの原理を利用した教材等が現在数種類販売されているので,それを目にしたことがある方もいるかもしれない。 堆積物は,様々な成分が混在している。一般的には自然の作用によって運搬された砂質土などに加え,プランクトンなどの死骸や,流域から供給される汚濁成分など,様々な物質で構成されている。特に,他水域との水交換能力が低い閉鎖性あるいは半閉鎖性の水域では,汚濁成分(有機物や栄養塩類など)が底層に過剰...
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