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近年,カーボンニュートラル社会の実現に向け,国内外にて様々な政策が打ち出されている。その中でも,電気自動車の普及は二酸化炭素の排出削減に向けて重要なポイントである。そのためには現行のリチウムイオン電池と比較して更なるエネルギー密度注1)を有する二次電池が必要となる。現行のリチウムイオン電池の正極にはLiCoO2,負極は黒鉛を主とした活物質注2)がよく利用される。筆者らは次世代負極材料として,高エネルギー密度化を実現できる“リチウム金属負極”に着目している。 リチウム金属は理論容量(3860 mAh/g)が高く,且つ電極電位(−3.045 V vs. SHE)も低いため理想的な負極材料の候補とされている。しかし,充放電サイクル中に生成されるデンドライト(樹枝状結晶)状リチウムの析出によってサイクル性能が短くなることが課題1)とされている。これはリチウム金属表面に存在する凹凸に伴う抵抗の不均一性による充放電時の電流集中が原因2)と考えられている。本稿では,その課題解決アプローチの一つとして“真空蒸着プロセス”に着目し,その特徴と優位性について解説する。 ...
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