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様々な社会課題を解決するため,既存電池では到達しない高い信頼性,安全性,長寿命,耐熱性を持つ新しい電池が求められている。特に100℃以上の耐熱性や20年以上の寿命といった耐熱長寿命に対する要求が強く,これを実現するためには全固体電池の早期実用化が必要であると考えている。全固体電池とは,その名の通り液体を全く含まない電池のことであり,危険物である有機系電解液の代わりにポリマーやセラミックスなどの固体電解質を用いた電池である。現在,様々な固体電解質が研究開発されている中,車載向けや民生機器向けとして最も期待されているのは硫化物系の固体電解質である。近年開発された硫化物系無機系固体電解質は,1 mS cm−1以上と有機系電解液に近い高イオン伝導度を持つことから,エネルギー密度,出力,安全性を同時に向上できる技術として注目され始めた。硫化物系固体電解質の中でも,特にアルジロダイト型固体電解質は高イオン伝導性や高成型性などの優れた性能を有することから,次世代電池の主要電解質として注目されている1-3)。アルジロダイト型固体電解質はイオン伝導性や成型性だけでなく,電気化学的安定性や熱的安定性についても非常に優れた特性を示...
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