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メタン発酵は下水汚泥や食品廃棄物,農業廃棄物(作物残渣や畜産ふん尿)等,様々なバイオマスの処理に利用されている。メタン発酵は嫌気性微生物のはたらきにより,バイオマス中の有機物をメタンおよび二酸化炭素の混合ガス(バイオガス)に分解する技術である。メタン発酵では全ての有機物を分解できないので,未分解有機物を含む発酵液が排出される。発酵液は脱水の後,液分(消化液)と固形分(固形残渣)に分けられる。消化液は排水処理あるいは農地還元,固形残渣は堆肥化処理される。消化液や堆肥には,原料由来の栄養塩(窒素,リン,カリウム)が含まれているため肥料となるものの,過剰な農地還元は土壌や地下水汚染の原因となる。また,近年我が国では堆肥が供給過剰となっていることなどから,これら残渣の処理がメタン発酵施設導入の鍵となっている。 以上のような背景もあり,発酵残渣を農地還元以外の方法で有効利用する技術が研究されている。発酵残渣の利活用技術は,養分回収,エネルギー利用およびその他有用物質への変換の3つに分類される(図1)1)。消化液からの養分回収では,膜分離や吸着による栄養塩の濃縮,アンモニアストリッピングによる窒素回収,晶析によるリン酸...
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