※ 検索ワードを区切るスペースは半角でお願いします。
光線力学的療法(Photodynamic therapy, PDT)はがん治療の最も有望な方法の1つであり,高活性なPDT用の光増感剤(Photo Sentitizer, PS)の開発が望まれている。PDTは一般的に腫瘍組織や新生血管に集まる性質を持つPSが光を吸収することで,ヒドロキシラジカル(・OH),スーパーオキシドラジカル(・O2−),一重項酸素(1O2)などの活性酸素種(ROS)を発生させ,がん細胞を変性・壊死させる療法のことである。PDT用PSは,(1)暗所で毒性を示さず,(2)光照射により細胞毒性をもたらすROSを効率良く生成できることが必要であり,(3)透過性の良い長波長の光で励起できること,(4)標的部位に集積しやすいこと,(5)水溶性を示すことが望ましいとされている1)。PDT用PSとして,これまでに有機色素,ポルフィリンやフタロシアニンの有機金属錯体,貴金属ナノ粒子などが開発されてきたが,これらの多くは親水性が低く,毒性が強い欠点があった。また,PSの多くが生体組織内の赤血球などと競合しPSの吸収波長に影響をおよぼす問題点が挙げられる。そこで,PSの親水性の向上,毒性の低減化と共に,より...
お気に入りから削除しますか?