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広島県でのカーボンリサイクル技術に関する研究開発の動きは,2019年9月に経済産業省から発表された「カーボンリサイクル3Cイニシアティブ(CR3CI)1)」に端を発する。この宣言において,「既にCO2が得られる広島県大崎上島を企業や大学等による研究もおこなえる実証拠点として整備」することが明記されている。そもそも大崎上島町は,人口8,000人足らずの本州とは橋の接続がない離島であり,竹原市の対岸に位置し,竹原港よりフェリーにて30分程度の距離にある。町は最も大きな島である大崎上島と,後述する大崎クールジェン(株)とそれに付随するカーボンリサイクル実証研究拠点2)が居を構える長島,更に主として鉛の製錬業務をおこなう東邦契島製錬(株)(旧東邦亜鉛(株))が島の大部分を占める契島,そのほか比較的大きな生野島に加え,大小20余りの無人島で構成される。 そもそも,大崎上島がカーボンリサイクルの研究開発拠点に選定されたことの発端は2009年7月に遡る。この時,革新的低炭素石炭火力発電の実現を目的として,中国電力(株)と電源開発(株)の出資により,大崎クールジェン(株)が設立された。2012年からは,大崎クールジェンプロ...
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