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塗布(=塗工)とは,フィルムや紙,金属箔などの基材の上に存在する空気を別の機能を有した物質に置き替えることと表現される。一般的には基材上に薄膜を形成する技術とされるが,本稿ではその中でも流体を均一に膜化させるウェットコーティング,つまりは湿式薄膜形成技術について述べる。 湿式薄膜形成技術は流体をある一定の膜厚に延ばすか,もしくは押し潰しつつ,空気を押しのけて基材上に密着させるという,物理的な移動と変形を連続的におこなうものである(図1)。 これは基材と流体との密着のし易さや,流体の動き易さでも変化する。例えば,表面張力の低い基材に表面張力の高い流体を膜化することは非常に難しい。また餅のような流動性がない高粘度の物質を薄膜形成することは容易ではなく,反対に水のような低粘度の流体を厚く膜化することも難しい。つまりは使用する基材や塗工液の性質や条件により,適正な塗工方式を選択することで,求める製品品質や生産量を確保することが可能となる。 また塗工技術は様々な業界で多くの工業製品の製造に活用されており,近年では塗工された製品に求められる機能は高度化,多様化し,品質や精度,生産性の向上などの要求も...
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