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粉体原料から電池電極やセラミックスなどの機能材料を作製するプロセスにおいて,微粒子分散液の塗布・乾燥技術が活用される。乾燥は溶媒の除去を目的とするが,蒸発に伴う自由表面(気液界面)の後退が粒子の高次構造形成を誘起する。乾燥後の粒子膜の構造が材料性能を決定付けるため,微粒子分散液の乾燥では構造制御も求められる。乾燥という単位操作は,物質・熱の移動現象として理論が整備されてきたが,構造形成を考慮するためには,粒子スケールでの数理モデリングが必要である。プロダクト・イノベーション協会では,微粒子分散液の流動・乾燥における構造形成を解析・可視化する数値シミュレータSNAP(Structure of NAno Particles)を開発し,微粒子分散液を扱う様々な単位操作の理論的考察を進めている。同時に,数値シミュレーションを活用した研究開発の支援と普及を目的として,企業を対象にSNAP研究会を立ち上げて活動している1, 2)。本稿では,乾燥における構造形成と,乾燥後の粒子膜の物性について,SNAPを通じて得られた知見を紹介する。 ...
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