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中国や欧州においてディーゼル車の排ガス規制強化に伴い,増加するガソリン車用の触媒に用いられるPdやRhの供給不足が懸念され,価格高騰が著しい。1g数百円であったPd価格は2018年末から高騰し,PtやAuの価格を抜き,ついに1万円を超えるまでになった。世界的な経済不況と昨今の新型コロナウィルスの影響で今後の価格動向は不透明であるが,ガソリン車の需要が続く上で両金属とPtの供給不足は継続すると思われる。これまでは希薄溶液については回収を見合わせていた各企業もPd回収について検討に乗り出している。 現在,Pdの湿式製錬にはジアルキルスルフィド(DAS)が広く利用されるが,DASは低抽出速度や酸化劣化といった欠点を有する。これらの欠点を改善するため,産総研の成田らは一連のチオジグリコールアミド(TDGA)を開発し,共存する4価Ptから2価Pdの選択的抽出を達成した。これらの試薬は耐酸性に優れ,酸化反応を受けず,また配位には関与しないカルボニル酸素原子が界面吸着することで劇的な抽出速度改善を果たしている1)。さらに,逆抽出がアンモニアでおこなえる利点もあり,N, N’-ジメチル-N, N’-ジヘキシルを側鎖とするT...
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