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固体高分子形燃料電池(PEFC)は,低温で高いエネルギー変換効率を示すクリーンな発電システムであり,家庭用定置型や自動車用燃料電池として普及されている。今後,人口やエネルギー消費が増加する中で,CO2排出量を大幅に削減するために,再生可能エネルギーを利用する社会へのシフトが求められており,PEFCの大規模普及が必要不可欠である。しかしながら,現状のPEFCは,低コスト化,高出力密度化,耐久性の向上など,技術的に解決すべき課題が残されている。 課題の一つとして,カソード電極で使用する触媒の低い酸化還元反応(ORR)活性が挙げられる。PEFC運転の酸環境下で安定な金属は,イオン化傾向の低いPt,Au,Pdなどに限られ,その中でORR活性の高い金属はPtである。現状広く用いられているカソード触媒は,高表面積化のために2~5nmのPtナノ粒子を導電性カーボン担体上に分散させたPtナノ粒子担持カーボン(Pt/C,図1左)である。しかしながら,Pt/CのORR活性は十分でなく,現状のPEFCは高価なPtを多く使用している。 そこでORR活性を向上させる取り組みとして,Ptと安価な卑金属(Co,Ni,Feなど)を合金化...
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