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イオン液体は揮発性が非常に低い,常温で液体状態をとる,電気伝導性が高いなど,従来の液体にはない特徴を持つ。また,イオン液体を構成するカチオンやアニオンの構造や組み合わせを変えることで種々の性質を制御することができる。さらに,イオン液体は温室効果ガスの一つである二酸化炭素(CO2)を選択的に吸収することが報告されている。イオン液体のCO2吸収特性は,構成イオンの構造によって大きく異なるため,種々のイオン液体のCO2吸収特性に関する研究が盛んにおこなわれている。 イオン液体はCO2をよく吸収するとともに,CO2・-ラジカルなどの反応性の高い化学種を安定化することが報告されているため,イオン液体を用いてCO2を電気化学的に還元しようとする研究も進められている1, 2)。CO2を還元することによって得られる化合物は,種々の有機化合物の原料となる一酸化炭素(CO),燃料電池の水素供給源として注目されているメタノール(CH3OH)やギ酸(HCOOH)などがある。ここでは,イオン液体を用いてCOを生成する研究について紹介する。 Pardalらは,EMIMTfO(図1上)と水9:1混合溶液と亜鉛-銅合金からなる陰極を用い...
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