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2021 Vol.85 No.12

巻頭言

特集

ブルーカーボン

 2009 年に国連環境計画(UNEP)の報告書において,藻類など海洋生態系内に隔離・貯留された炭素が「ブルーカーボン」と命名された。これは,陸上の森林など(「グリーンカーボン」と言われることもある)と同じく,CO2 の固定化手段や,化石資源代替のバイオマス資源など,CO2対策の新しい選択肢として提示された。環境面においては,四方を海に囲まれた日本にとっては,藻類などブルーカーボンによる炭素隔離・貯留ポテンシャルは大きいと考えられており,その実態調査,制度整備など海洋生態系の持続的な管理の促進が望まれる。また,ビジネス面においても,藻類からの燃料や樹脂といった有価物への転換や,海洋牧場といった海洋ビジネスなどへの展開が期待される。これらブルーカーボンに関する環境面,ビジネス面での活動は,持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」,14「海の豊かさを守ろう」に大きく貢献するものと期待される。
 研究対象としても,大気,海洋(場合によっては陸域も含む)での物質輸送現象,海洋中の物理化学現象,多様な海洋生物による生化学反応,さらには有価物への転換技術など,極めて広範囲で複雑なシステムを対象とし,未知の部分も多い魅力ある分野である。
 本特集では,ブルーカーボンに関して,CO2対策としてのポテンシャル,有価物への転換技術,関連した海域環境改善活動や海洋ビジネスへの取り組みなどを紹介する。

(編集担当:景山正人)

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広がれ!ダイバーシティ

Online ISSN : 2435-2292

Print ISSN : 0375-9253

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