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近年のプラスチック問題に関する注目度の高さは,2015年に端を発している。プラスチック製ストローが鼻に刺さったウミガメの動画1)は,一般社会への訴求力という意味で重要な役割を果たした。海洋へのプラスチックの流出量を推計した論文2)がScience誌に掲載されたことは,学術の世界でもプラスチック問題の重要性が再認識される契機となった。さらに,欧州の「循環経済(Circular Economy)に向けた行動計画」3)においてプラスチックが優先分野に挙げられたことで,政治的にもプラスチック問題は無視できない存在になったと言える。 その後,2018年には欧州委員会による「循環経済における欧州プラスチック戦略」4),2018年と2019年には,それぞれ容器包装および使い捨てプラスチックに関する欧州指令が公表され5, 6),2018年のシャルルボアG7サミットでは「海洋プラスチック憲章」が承認(ただし,米国と日本を除く)されるなど7),欧州を中心として,世界におけるプラスチック問題に対する議論は,この5年で大きく進捗したように見える。こうした政治的な動きに加え,欧州では世界最大の化学メーカーであるBASFが廃プラスチッ...
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