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プラスチックは1950年代に開発して以来,製造量が急速に増加し,今では年間3.59億トンのプラスチックが製造されている1)。製造・消費過程で通常のマテリアルフローから外れたプラスチックが河川,湖沼及び海洋の全ての水環境に流出し,あらゆる栄養段階の生物体内に取り込まれている2)。さらに,プラスチックには樹脂の安定化や耐久性向上等のために製造過程で化学物質が少量添加されることに加えて,水環境中で疎水性をもつ残留性有機汚染物質POPs(persistent organic pollutants)を高濃度に吸着するため,生物体内への有害な化学物質のキャリアとして機能することが報告されている3)。このような背景から水環境中に存在するプラスチックは,景観を損なう単なる人為起源の廃棄物ではなく,海洋生態系の化学汚染を拡大させる汚染因子として認知されている4)。 こうしたプラスチックによる海洋生態系汚染は,一旦水環境中に流出することで,グローバルに拡大の一途を辿り,解決困難な環境問題に発展する。水環境中に存在するプラスチックには,消費した製品状態のものもあれば,太陽光による光分解や熱分解等により劣化・細分化したプラスチック...
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