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水溶液中に定在波ができるように超音波を照射すると,その腹の位置では音圧が変化し,負圧時に微細気泡が生成する。その微細気泡は,音圧変化により膨張収縮を繰り返しながら成長したのち,力学的に不安定となったところで圧壊する。その際に,気泡は急速に収縮するため,その変化が断熱で進行すると考えると気泡内部は局所的な高温高圧場となる1)。気泡内部および周囲の水は熱分解により,ラジカル化し,ヒドロキシルラジカルや水素ラジカル等が生成する2)。アルカリ性のルミノール溶液が入ったビーカーを水槽の中に入れビーカー底から200 kHzの超音波を照射した様子を図1に示す。超音波照射で生成したヒドロキシルラジカル等によりルミノールが酸化し,青く縞状に発光しているのが確認できる。このように超音波を溶液内へ照射することで,酸化反応や還元反応を利用できる点がソノケミストリーの魅力の1つと考えられる。溶液の条件,照射雰囲気等を変化させることで,酸化もしくは還元反応を選択的に利用することが可能である。例えば,超音波による還元反応を用いた金イオンからの金ナノ粒子の合成や,廃水処理過程における酸化反応の利用などが報告されている3-5)。 ...
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