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NEDO報告書によると1),有機合成を利用して作られる機能性化学品(電子材料,医薬品原体,香料,農薬原料など,以下同義)の世界市場は約16.2兆円(2015年)と言われ,今後もさらに成長を続け,2030年には35.9兆円に上ると推計されている。さらに,機能性化学品をもとに作られる機能性材料の市場規模は約169兆円に達すると推計されており,機能性化学品に連なる経済的波及効果は大きい。医薬品をはじめとする機能性化学品の多くは,現在バッチ式による製造プロセスが用いられており,複雑な化学構造を持つ化合物の合成が可能である一方,各段階で中間体の分離・精製操作を繰り返すため,多くのエネルギーを必要とし,廃棄物も大量に排出されるという課題がある。また,人件費や地価の安い発展途上国の工業化が進み,コスト競争が激しくなる中で,国内の製造業も同様のコスト競争をおこなった場合,我が国の製造業の更なる海外流出を招く恐れがある。したがって,付加価値が高く精密な合成手法が必要とされる機能性化学品の革新的な製造プロセスの確立は,省エネルギー・省コスト化・廃棄物削減の観点から,今後,日本の製造業の発展になくてはならない技術と考えられる。産業...
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