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国際連合食糧農業機関（FAO）の資料によると，世界の飢餓人口は約8億1,100万人（2020年）であり，世界人口の約1/10が飢餓に苦しんでいると推計されている。その一方，毎年，世界で生産される食料の約1/3（13億トン：2011年）が損失・廃棄されており，その量は約20億人分と推定されている。持続可能な開発目標（SDGs）のターゲット12.3において，「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄（Food Waste）を半減させ，収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失（Food Loss）を減少させる」ことが掲げられており，2019年世界食料農業白書では食料ロス指数（Food Loss Index：FLI）と食料廃棄指数（Food Waste Index：FWI）が提起され（図1），Food Waste Index Report 2021において9億3,000万トン以上の食料が廃棄されたことが報告されている1）。日本においても，2019年には食品ロスの削減の推進に関する法律が施行されているが，食品廃棄物等の発生量（2018年度）は約2,531万トンであり，その...
Online ISSN : 2435-2292
Print ISSN : 0375-9253
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