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医薬品産業では,従来,小分子化合物が治療薬の原薬として主に使用されてきた。しかしながら最近では,抗体や遺伝子組換えワクチン,核酸医薬など,バイオ医薬品,遺伝子治療薬などを含むいわゆる新規モダリティの全医薬品売上に占める割合が,年々増加している。2021年の厚生労働省の統計によると,その割合は,2020年に既に36.8%に達したと報告されている。これらバイオ医薬品の薬に占める割合は,今後も更に増加することが見込まれている。 ペプチドやタンパク質などからなるバイオ医薬品は,低分子薬に比べて,体内の標的分子への特異性が高いことが期待される一方,経口投与では,体内酵素による消化を受けるため,そのほとんどが注射により投与されている。一方,皮膚を介する経皮投与の場合は,健康な皮膚では最外層にある角質層が疎水バリアとして働くことから,500 Da以上の分子量を持つ大きな分子を受動拡散で体内へと送達することは困難なことが知られている1)。 経皮製剤とは,皮膚に貼付して全身に作用する製剤のことであり,例えば気管支拡張薬の「ホクナリンテープ」や,アルツハイマー型認知症治療剤の「リバスタッチパッチ」などが実用化されている。経皮...
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