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中性子は粒子であると同時に波としての性質を持ち,適当なエネルギーを持つ中性子はX線と同様,物質のミクロな内部構造の研究に用いることができる。中性子は原子核と直接相互作用し散乱されるため,X線と比べて物質透過性が高い,比較的軽元素に敏感,同位体を区別できる,などの特徴を持つ。中性子に対する物質の散乱能を決める散乱長は,水素と重水素では全く異なるため,それらを区別することが得意である。また水素原子とエネルギーのやり取りをする非弾性散乱断面積が特に大きいため,水素原子のダイナミクスに敏感である。そこで水素原子を多く持つ,高分子と水が織りなす静的・動的な階層構造の解明に威力を発揮する。本稿ではこのような特徴を持つ中性子を使った構造研究とダイナミクス研究の実際について,いくつかの事例を基にご紹介する。 ...
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