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アンモニア(NH3)の人類の食料を支える肥料としての重要性,CO2フリーな燃料としての有用性などは,本特集の他の記事で書かれていると思われるので説明を省かせて頂く。 現在,NH3はHaber-Bosch法と呼ばれる触媒プロセスで,主に天然ガスなど化石資源から生産した水素(H2)と空気中の窒素(N2)から製造され,人類の消費するエネルギーの1〜2%がNH3合成に使われるとされる。Haber-Bosch法は高温高圧のエネルギー浪費プロセスと記す文献が散見されるが,これは大きな間違いである。最新のHaber-Bosch法による触媒プロセスでは,NH3生産に必要なエネルギーは28〜29 GJ/ton-NH3と言われる1, 2)。1 tonのNH3を生産するのに必要なH2の量を燃焼熱換算すると25 GJである。すなわち,NH3生産に使われるエネルギーのほとんどは,原料のH2そのもののエネルギーであり,Haber-Bosch法で無駄にしているエネルギーではない。高温高圧の高温は,発熱反応のNH3合成から最大の効率で熱を回収するための温度であり,発熱反応では自ら温度が上がっているので,外部エネルギーを消費していない。高温...
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