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反応や材料合成,分離などの化学プロセスの多様化に伴い,溶媒に求められる機能は高度化している。その結果,純溶媒から混合溶媒へ,更に広い温度・圧力条件での溶媒の利用が試みられている。プロセス設計に溶媒の物性データが必要なことは論を俟たないが,プロセス設計温度・圧力・混合溶媒組成での溶媒物性データの入手は難しいのが現状である。このため,様々な溶媒の様々な条件での物性データをいかに入手するかは現在も重要な課題である。 一般に物性データの測定には時間がかかるため,状態方程式や活量係数式による推算や,近年では機械学習を利用した推算が報告されている。状態方程式や活量係数式に含まれるパラメータの決定には実測データが必要であり,また機械学習では学習に使用する大量の実測データの準備が大きな課題になっている1)。このような観点から本稿では,物性データの高速測定を目的とした,物性データのハイスループット測定に関する2件の研究を紹介する。 物性データの中でも相平衡状態にある二液相中の成分組成を与える液液平衡(LLE)は,混合溶媒の相分離制御や抽出操作設計に不可欠である。多種類かつ少量の溶媒で高速にLLE測定ができると非常に有用だが...
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