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軽油は石油を蒸留精製して得られる沸点250~350℃程度の炭化水素の混合物であり(図1),主にトラック・バス・船舶のディーゼルエンジン用燃料や発電機械・建設機械のディーゼルエンジン用燃料等に使用されている。軽油には炭素数10~30程度のn-パラフィンが10~30%含まれており,これらのうち,特に炭素数20以上の長鎖n-パラフィンは寒冷下において軽油中で結晶化して析出する。析出した結晶は,燃料フィルターの目詰まりや燃料の固化を引き起こし,ディーゼルエンジンが始動しなくなったり,停止したりするといった問題を生じる(図2)。こうした問題を解決するために,冬季の軽油には低温流動性向上剤(Cold Flow Improver:以下「CFI」)が,100~500 ppm程度添加されている。CFIは軽油中の長鎖n-パラフィン結晶の析出,成長,凝集を制御することにより,軽油の流動性を向上させ,燃料フィルターの目詰まりや,燃料の固化を防ぐ効果を持つ。 本稿では,n-パラフィンの結晶化,CFIの作用機構,種類および構造について概説し,ナローカット軽油用CFIについて紹介をする。 ...
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