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分離技術は,石油化学産業を始めとする,ものつくりに関わる多くの産業において,原料から中間製品そして最終製品に至る製造プロセスの様々な場面で必要な物質を濃縮し,不用な物質を除去するという重要な役割を果たしてきました。これからも新しい物質あるいはプロセスへの対応だけでなく,持続可能な社会を目指すSDGsの達成に向けて,新たな分離技術を創出する努力が続けられるでしょう。
Keller1)は15の分離技術について,その技術の最高到達点に対する到達度(横軸)と産業界で20世紀末までに導入可能な最大数に対する普及度(縦軸)を調査し,図1に示すプロットを作成しました。この図は分離技術の現状と今後の研究の方向性を説明するために多くのレビュー,報告で引用されてきました。分離技術は,物質の性質・特徴の違いを利用しますが,分離の効率を向上するために吸着剤,分離膜などの分離媒体,電場などの外力を利用する新たな分離機構に基づく分離技術が考えられてきました。図の左下にある分離技術は,その概念が生まれたばかりで,この技術がどこで使うことができるのか,適用可能性・用途を探している,技術の創成期に,そして中央にある技術は,科学的・理論的な研究が進められることによって技術への理解が深まり,それが技術の普及と新たな課題の発見を促し,研究と技術の応用の両方が加速される,技術の発展期に位置付けられます。さらに右上は,技術の進歩と普及が共に飽和に近づいた成熟期となり,その時代における分離技術の状況をこの図から見ることができます。
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