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筆者は「産学連携振興を兼務とする化学工学分野の担当スタッフ」として2010年度に赴任したが,学生諸氏が研究活動に参画開始したのは大震災直後の2011年5月以降だった。敷地内の図書館が避難所になった異常な状況下でのハードウェアの再建・整備からというゼロ点スタートだったが,諸方面からの力添えもいただき,ようやく小規模ながらも漸進できるようになってきた感がある。様々な意味で課題まさに累々山積だが,これからが正念場である。やらなくてはならないこと,考え抜かなくてはならないことがこれほど多いのに,人生は本当に短いと実感する。 近年,最も大きな時間的リソースを投入しているのが,廃水処理過程やそれに係る装置に発生するトラブルの低減技術の開発である。震災後3年ほど経過し,近隣事業体との連携実施の必要性の拡大のベクトルの中で,いわき市のコーディネータの発案をもとにこの話題が持ち上がった。それ以前水処理技術に関与した経験がほとんどなかったが,自身のような〈単位操作屋〉にはファインケミカルよりはむしろ拓きやすい領域だろうという直感を信じるしかなかった。 研究の継続を可能にしてきた近隣企業の理解・協力や科研費・財団助成には日々感...
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