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残暑は厳しいが,ビールが美味しく感じられる季節であると友人は言っていた。学部3年生の9月,飲料メーカーの2週間インターンシップに参加した。実のところ私はビールが苦手だが,与えられた課題は「ビールの製造過程におけるエネルギー効率の向上」というものであった。実際に使用されているプラントの蒸気回収効率を上げる方策を提案することになった。原因推定箇所をいくつ挙げたとしても,それだけでは気軽に工場内の数値を操作することや,思い付きで実験はさせてもらえない。社員の方を納得させるには,言葉だけではなく計算で示さなくてはならない。自分の中にある化学工学の知識を総動員して,工場全体のエネルギー収支図や物質収支図を描いた。比熱や熱容量,ベルヌーイの定理など,今まで試験のためにしか勉強してこなかった化学工学の「式」を初めて実用した経験であった。現場に何度も足を運び,ヒアリングもおこなった。今まで頭の中で点として存在していた知識が線としてつながっていくことを感じた。最後の報告会では,何とか蒸気回収を効率化する方策の提案までこぎつけた。社員の方々の前でするプレゼンテーションの緊張感は今でも忘れられない。私が提案した方策を後日検証してく...
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